もの作りへの想い

過酷な仕事環境から
生み出されるもの

中子製造は熱との戦いです。
材料である特殊加工の施された砂を、型に流し込み熱を加える工程では、
作業者が熱された大型機械の前に立ち黙々と作業を進めます。
大型機械からうなり出る大きな音と工場内に充満する熱さなどで
夏場にはさらに工場内の気温も上がり、想像をこえた過酷な環境となります。

数年前、仕事の環境を示す言葉に
「3K」という言葉が話題になった時がありました。
3つのKの意味は、「きつい、危険、きたない」の3つです。
当社の作業環境は、一見すれば３Kの作業環境に見られがちです。

その中で私達は、一つひとつの作業に細心の注意を払いながら
製品を作り続けています。
それはスタッフ全員が、目の前で行う作業一つひとつに
「意味」を見出しているからと言えるでしょう。

私達が作り出した製品はさらなる製品を作り出す一つの部品です。
「もの作りへの想い」を大切にする。
それが私達、有限会社佐酉のポリシーです。

当社ではアルカリフェノール硬化ガスを用いた小型製品専門部署があります。
作業はすべて手作業で行っております。
長きに渡り試行錯誤を繰り返して現在の技術が確立されました。

技術は担当者ごとに受け継がれ、一度取引を行ったクライアント様からは
継続して発注をいただくことが多い部門です。
脈々と受け継がれるこの部署では「手作業」が生み出す
きめ細やかな製品が生まれ続けています。

手仕事での作業は、一つひとつ丁寧に行われます。
小型製品の小さな違いも手触りで感じ取る指先の感触。
経験がもたらした無駄なく洗練された作業手順。
それは私達だからこそ作り出すことができる質の高い製品を生み出します。

数々の中子製品を世に送り出してきた当社は、
狭い業界であるがゆえに長きに渡ってお取引を頂いたり、
遠方からの引きあいが多いのも特徴です。
クライアント様が抱える課題に真摯に向き合い、
当社が何をご提供できるのか膝を合わせてしっかりと
お打合せさせていただいております。

製品のクオリティー維持はもちろん、新製品開発時にも、
こちらからアイディアを出すこともあります。

鋳造業界において裏方のような存在ですが、
中子が持っている役割を十分に理解して、
あらゆる鋳造を支えていきます。
それが当社にとって大いなる喜びなのです。

事業を始めた時は3名からのスタートでした。
希少な業界であることから、規模を拡大せずただひたすらに
「喜ばれる中子作り」に邁進してまいりました。
その中で大切に思うのはそれを支えてくれた社員である仲間たちです。

これからも、今後出会うであろう「未来の仲間」と一緒に
中子作りへの情熱を培っていきます。